マイティドリーム新馬戦観戦記

ウマフリPOG部のエース候補の一頭であるマイティドリームが7月17日、日曜中京の芝2000mでデビューを果たした。
2012年の大阪杯を勝ち、2013年の安田記念では、あのロードカナロアにクビ差まで迫った個性派ショウナンマイティの半弟であるマイティドリーム。父がディープインパクトに変わり、母であるラグジャリーの父、いわゆる母父ストームキャットとのニックス効果が期待できる、まさに大舞台を目指すための、実に魅力的な血統背景を持つ若駒だ。
今回は、そんなマイティドリームのデビュー戦を、現地で観戦した私が振り返りたいと思う。

 

7月17日、日曜日。お昼時、どんよりとした空模様とジメジメしたなんともパッとしない天気の中、中京5Rの新馬戦に出走する9頭がパドックに姿を現した。
気になるマイティドリーム、第一印象は「おっとりしているな〜笑」だった。マイペースという言葉がピッタリだろう。特に無駄な動作、体力を消耗するようなイレ込みはなかったが、それでもどこか、レースそっちのけで他のことを考えてるかのような、ちょっととぼとぼとしたような歩き方だった。
馬体はいかにもディープインパクトの仔らしい、品のあるつくりで、軽い走りをしそうな印象を受ける。
前を歩いていたのが、500㌔を超える馬体で出走してきたラブリーデイの全弟プレストだったので、多少小さめに見えたが、それでも464㌔と小柄ではないだろう。一方で、まだまだ良くなりそうだなという感じもした。
マイティドリームに騎乗する武豊騎手は戦前、自身のコラムの中で、「早くも来年が楽しみという気持ちはある」と語っていた。かくいう私も、この言葉に触発されて中京まで足を運んだ身であり、その期待は大きかった。
騎乗合図がかかり、武豊騎手がマイティドリームに跨る。この時、梅田調教師をはじめ、引き手の2人と跨る武豊騎手の計4人に付き添われるマイティドリームは実に愛くるしく、同時に「まだまだ幼いなあ」と苦笑いだった。

 

返し馬はスタート地点で、ゴール方向から駆けてくるのをカメラを構えながら確認した。
武豊騎手が多少手綱を引っ張るところも見受けられ、「お、少しスイッチが入ったかな?それともまたマイペース発動かな?」と、私はとにかく親目線でマイティドリームの動向を見守っていた(笑)

発走の時間を迎え、マイティドリームはゲートに入る。特に渋ることなく、ゲート内での駐立も概ね問題ないように見受けられた。
スタートが切られると、マイティドリームは五分のスタートで中団の内目にとりつく。
向こう正面で武豊騎手は馬場のいい外を走らせるが、やや手綱を動かして馬を促す格好となっており、あまり行きっぷりは良くないような印象も受けた。
手応えがイマイチのまま直線を迎えると、マイティドリームは馬群を割りながらジリジリと伸びようとする。
ちょっと勝つのは難しそうか、と思った時、大外から福永騎手が騎乗するステイゴールド産駒のトリコロールブルーが異次元の末脚で駆け抜けていった。
マイティドリームを含める他の馬たちは完全に置き去りにされてしまった。

 

結局、マイティドリームの初陣は4着という結果になった。まずは無事に走りきれたことにホッとする。
兄は脚が弱く、それに悩まされ、本来残せたはずであろう大きな記録はそれほど残せなかった。だから弟であるマイティドリームの脚元は常に心配だ。それだけに、無事にデビュー戦を終えられたことは、勝つこと以上に大事だったはずだ。
武豊騎手の言葉や血統背景、戦前の評価など、ファンの期待は大きかったが、デビュー戦を勝利で飾れなかった事は、やはり新馬戦の難しさを物語っている。
しかし、この敗戦を次に活かすのが「新馬戦」の役割であり、武豊騎手としても得意とするところ。今後もこのコンビで、一歩ずつ進んでほしいと思う。

 

ここでひとつ余談を。
この日の中京競馬場芝コース、馬場がめちゃくちゃ。2週目の開催で週中~週末にかけての激しい雨の影響を受け、内の芝は土が見え、馬場中ほどまでボコボコ。
にも関わらず、日曜日の10RシンガポールTC賞はコースレコード。それも重賞で叩き出されたタイムを更新してのもの。勝ち馬のこの馬場への高すぎる適性もさる事ながら、変な馬場だ。実に奇々怪々。
天気の影響を受けやすい改修後の中京の馬場の傾向から考えると、きっとこのまま変な馬場。今週の中京は最終週だが、芝レースを予想する際は、先週の結果と十分ににらめっこするべきだろう。
さらに、当日の傾向もしっかり掴んでおきたい。

話は逸れたが、要するに何が言いたいかというと、マイティドリームをはじめ、この馬場に翻弄される馬も少なくなく、まだまだ実力を測れる状態ではないだろう、ということである。

マイティドリームは、血統的にも、馬体的にも、気性的にもまだまだ伸びしろたっぷりだ。ディープインパクト産駒は豊富な成長力を持つ馬が多い。きっとマイティドリームも、大きな成長を遂げて、私たちに「強大な夢」を見させてくれることだろう。
兄の果たせなかった夢を叶えるために、邁進していくマイティドリームを、今後も応援していきたい。
文章と写真・ゆーた